1956年にアメリカのハーマン教授によって発表された、活性酸素についての報告によって、私たちはこの空気中の20%を占めている酸素について真剣に考えさせられることになりました。私たちの体を作っている細胞の中の、遺伝子をもっている核酸(DNA)が、この体内で発生する活性酸素によって攻撃され、突然変異を起こさせガンなどの生活習慣病のほかたくさんの病気の原因となるというのです。 今では生活習慣病といわれるガンや痴呆症、心臓病や糖尿病などの90%以上に活性酸素が深く関係していることが広く知られるようになりましたが、一般の人たちには活性酸素や、あるいはフリーラジカルといっても、よく理解されていないのが実情です。本書はこれらの活性酸素とその破壊作用、さらに体内のこの作用を消してくれる防衛システムについて、よりわかりやすく理解していただけるように努めました。
ガン、心臓病と並んで日本人の三大死亡原因である脳卒中は、寝たきりになったり、手足のマヒや言語障害などの後遺症を残すこともありますから、一番かかりたくない病気でもあります。 これらは血栓が大きく関係しており、脳の血管で血栓が起きますと、脳梗塞になり、心臓の血管で起きますと、心筋梗塞を引き起こします。それだけではなく、老人性痴呆症(アルツハイマー病)とも深くかかわっているのです。 そこで最近、血栓溶解酵素のナットウキナーゼが注目されています。ナットウキナーゼは納豆のネバネバにあり、大豆についた納豆菌が発酵の過程で作り出すもので、血栓溶解作用があり血液をサラサラにしてくれるのです。
私たちの健康を守ってくれる免疫という働きは、大きく自然治癒力という防衛システムの一つであることが明らかにされてきました。 この自然治癒力がホメオスターシス(恒常性維持)という考えで、ハーバード大学生理学教授のヲルター・B・キャノン博士から提示されたのは今から60年も前の1932年でした。 それからようやく最近になって、この自然治癒力を高める重大な要因が明らかにされ、それが私たちの腸内細菌と深く関わっていることがわかってきました。 ガンをはじめ、生活習慣病の予防や治癒に非常に大きな影響を与える、この自然治癒力を高める腸内細菌と、その内容について紹介しており、健康管理の一助としてお役にたてていただきたいと考えます。
厚生労働省が毎年発表する国民栄養調査結果で、ミネラルはカルシウムをはじめ、亜鉛や銅など複数の必須ミネラルの欠乏状態が明らかになっています。また、ビタミンCの不足も目立っていることも判明しました。その背景には女性の「痩身願望」などがあるようです。もう一度、これら微量栄養素の大切さを認識し直さねばならない時がきているのです。
近年、日本でも視力の低下は、白内障や黄斑変性症の急増とその若年化があり、大きな社会問題となってきています。これらの目の疾患が急増した理由は、1.食事の欧米化、2.パソコンなどの急激な普及に深く関わっていると考えられます。これまで目によいといわれてきた多くの方法も、黄斑変性症の改善や予防に見るべき効果がなかったところ、ここに老化に伴って目の黄斑が変性する眼病の加齢黄斑変性症、つまりAMDに非常に有効な改善と予防が発券されたのです。
人間が歩き始めてから苦しんできた疾病の代表的なものが、関節症です。 急速な高齢化が進んでいる日本では、今後特にひざ関節症の患者が急激に増加することが予想され、厚生労働省もその対策に頭を痛めています。 アメリカではひざ関節症に悩む人々は、5000万人をこえるといわれており、日本人も生活スタイルを改めないかぎり増加することはあっても減少することはありません。この書では関節痛によいとされる素材を紹介しています。
2024年5月のおすすめ
現在厚生労働省の調べで糖尿病患者と予備軍の合計が2300万人にもなっており、日本人の国民病になっています。そして、医療費が膨大になることはいうまでもないことです。 正しく糖尿病のことを理解し、対処、処置されることが大切だと考えます。
ガンでの死亡数は増加を続け、現在では死亡原因の第1位となって久しい状態が続いています。そこで最近注目されているキノコがメシマコブです。メシマコブは、1993年には韓国で医薬品として認可されており、ここ日本でもポストアガリクスと目されています。免疫力を強化し、活性酸素を除去する力は強力でガン増殖阻止率が96.7%という驚異の数字を誇っている、今最も注目されている抗ガンキノコです。
厚生労働省によると、国民の3人に1人がアレルギー疾患を持っており、特に大都市部では患者数が増加しており、近年、深刻な社会問題となっています。その要因となる抗原はたくさんありますが、環境中のアレルゲンで最も知られているのは、鼻や目にさまざまな異常を引き起こす花粉ではないでしょうか。この花粉症に悩む人は毎年増加しており、その医療費は約3000億円にも達し、深刻な社会問題となっています。そこで身近なアレルギー対策としてシソが注目されています。シソはインド東部、中国などアジアの温帯地方が原産で、国内では北海道から九州まで幅広い地域で栽培されており、日本人には昔からなじみのある素材です。現在では、臨床にもどんどん取り入れられ、着実に成果をあげており、フラボノイド配糖体などの有効成分が含まれていることが確認され、抗アレルギーや抗炎症に関するデータが報告されています。
現在、食生活は西洋化の一途をたどり、コンビニやファーストフードの普及による過度の糖質、脂質、カロリー摂取と交通手段や通信機器の発達による運動不足の日常を過ごすわが国の糖尿病人口は予備軍まで含めると2300万人という数にまで膨れ上がっています。そのような状況の昨今、キクイモは「天然のインスリン」とも呼ばれ糖尿病対策に注目されています。キクイモはキク科ヒマワリ属の多年草でキクによく似た黄色い美しい花を咲かせ、花が咲き終わった10月から11月にかけ気温が17度ぐらいおになると地中にイモを作ります。キクイモは糖質にデンプンを含まず、主成分は多糖類のイヌリンです。このイヌリンはヒトの消化酵素では消化されず、分解されてもフラクトースとなるだけであるので、血糖値が上昇しないのです。また糖質吸収阻害作用があり、血糖値上昇を抑制するためにインスリンを分泌する膵臓の負担をやわらげてくれるのです。その他にもビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
カニを食べる際、ゴミでしかなかったカニの殻。この殻の主成分であるキチンから取れるキトサンが、健康関連分野で注目されています。キチン・キトサンは基礎的な研究から、コレステロールを下げたり、血圧を下げたりするなどの健康によい機能が数多くあることが明らかとなっており、多くの健康食品が開発されています。臨床応用も民間のクリニックや病院などで行われています。その他、人工皮膚がキチン・キトサンから作られたり医療の分野でも大活躍である。
烏骨鶏は、「本草網目」や「神農本草経」などの漢方の古典に記載され、漢方薬原料としても利用されている伝統食品です。中国では2000年以上前から「薬鳥」として知られており、歴代の皇帝も滋養強壮や長寿、女性たちは美容や若返りを求めて、薬膳料理として食されていたようです。烏骨鶏は黒の羽毛に覆われており、皮膚、骨、肉、内臓などすべてが黒いのが特徴です。またアミノ酸など栄養成分の宝庫で、卵をはじめ、肉や骨、血液までが利用されており、全身捨てるところがない優良素材として、注目されています。